
ご家族が亡くなられた後は、通夜や葬儀、火葬を終えて一段落したように感じるかもしれません。しかし実際には、葬儀後にもさまざまな手続きや確認事項が続きます。私たち舞岡あゆみ葬祭にも、「葬儀が終わった後は何をすればよいのか」「役所の手続きはどこまで済んでいるのか」「年金や保険、銀行のことはいつまでに何をすればよいのか」といったご相談を多くいただきます。
ご家族を亡くされた直後は、精神的にも肉体的にも大きな負担がかかっており、葬儀後すぐに気持ちを切り替えて事務的な手続きを進めるのは簡単なことではありません。そのうえ、必要な手続きは役所関係、保険関係、年金関係、金融機関、住まい、相続関係など多岐にわたり、期限が決まっているものもあります。何から始めればよいか分からず、不安になるのは自然なことです。
そこで大切なのは、すべてを一度に終わらせようとするのではなく、期限の早いものから順番に整理して進めることです。実際には、すぐに必要な手続きと、少し落ち着いてからでもよい手続きがあります。優先順位を知っておけば、慌てずに対応しやすくなります。
ここでは、葬儀後にやるべき主な手続きを一覧として整理しながら、それぞれの内容や進め方を分かりやすく解説いたします。ご家族のご負担を少しでも軽くできるよう、全体の流れがつかみやすい形でまとめました。
葬儀後にまず確認したいのは、すでに済んでいる手続きと、これから行う手続きを分けて考えることです。たとえば、死亡届の提出や火葬許可証の取得は、通常は葬儀社がご家族に代わってお手伝いすることが多く、葬儀の時点で済んでいる場合があります。そのため、まずは「すでに完了していること」を確認したうえで、これから必要になる手続きを整理していくと分かりやすくなります。
葬儀後すぐの時期に必要になることとしては、役所関係の追加手続き、年金や健康保険の確認、勤務先への連絡、公共料金や住まいの契約確認などがあります。さらに、状況によっては携帯電話の解約や、入院費の精算、施設利用料の支払いなど、個別に必要な対応も出てきます。
この段階では、重要書類を一か所にまとめて保管しておくこともとても大切です。死亡診断書のコピー、戸籍関係の書類、保険証、年金手帳、通帳、印鑑、不動産関係の書類など、今後の手続きに必要になる可能性があるものは、整理して保管しておくと後から慌てずに済みます。
葬儀後にまず確認したいのが、役所での手続きです。死亡届は通常、葬儀前後に提出されていますが、そのほかにも必要になる手続きがあります。
代表的なのが、健康保険証の返却です。国民健康保険に加入していた場合は、市区町村役場で資格喪失の手続きを行い、保険証を返却します。後期高齢者医療制度に加入していた場合も同様に返却が必要です。勤務先の健康保険に加入していた場合は、勤務先を通じて返却することになります。
次に確認したいのが、介護保険証の返却です。介護保険を利用していた方の場合は、介護保険証の返却が必要になります。あわせて、介護サービスの利用料精算や、ケアマネジャー・介護事業者への連絡も進めます。
また、該当する場合は世帯主変更届が必要になることもあります。亡くなられた方が世帯主だった場合で、残されたご家族が二人以上いる場合には、新しい世帯主を届け出る必要があります。ただし、一人暮らしだった場合や、残った世帯員が一人だけの場合など、不要なケースもあります。
そのほか、自治体によっては葬祭費や埋葬料の申請ができる場合があります。国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していた方が亡くなった場合、葬儀を行った方に対して葬祭費が支給されることがあります。会社の健康保険に加入していた場合は、埋葬料や埋葬費の制度があることもあります。申請しなければ受け取れないため、必ず確認しておきたい手続きの一つです。
亡くなられた方が年金を受給していた場合には、年金受給停止の手続きが必要です。これを行わないと、亡くなった後にも年金が振り込まれてしまい、後で返還が必要になることがあります。
国民年金や厚生年金を受給していた場合は、年金事務所または年金相談センターなどで手続きを行います。最近では自治体で死亡届が出されると情報が連携される場合もありますが、すべて自動で完了するとは限らないため、個別に確認しておくと安心です。
また、場合によっては遺族が受け取れる遺族年金の対象になることがあります。特に厚生年金に加入していた方や、一定の条件を満たす配偶者・お子さまがいる場合には、遺族厚生年金や遺族基礎年金の対象となることがあります。これは家計に大きく関わる大切な制度ですので、該当しそうな場合は早めに確認しておくことをおすすめします。
年金関係の手続きは、内容が複雑に感じられることもありますが、年金事務所で相談しながら進めることができます。年金手帳や基礎年金番号が分かるもの、戸籍関係書類、振込先口座の情報などが必要になることがありますので、事前に準備しておくと手続きが進めやすくなります。
健康保険に関しては、保険証の返却だけでなく、医療費の精算や払い戻しの有無も確認しておきたいところです。入院中に亡くなられた場合は、未払いの入院費や治療費の支払いが必要になることがあります。また、高額療養費制度の対象になっている場合には、後から払い戻しが受けられることもあります。
亡くなられた方が医療保険やがん保険などの民間保険に加入していた場合には、入院給付金や手術給付金などの請求ができることもあります。保険の内容によって異なりますが、亡くなられる直前までの入院や治療に対して給付対象となる可能性がありますので、保険証券を確認してみることが大切です。
また、生命保険の死亡保険金についても確認が必要です。受取人が指定されている場合には、その受取人が保険会社に請求することで保険金を受け取ることができます。保険金請求には、死亡診断書のコピーや保険証券、受取人の本人確認書類などが必要になります。加入しているか分からない場合は、通帳の引き落とし履歴や書類を確認すると手がかりが見つかることがあります。
亡くなられた方が会社に勤めていた場合は、勤務先への連絡が必要です。会社側で社会保険や雇用保険の手続きが必要になるほか、未払い給与や退職金、弔慰金などの確認も行うことになります。勤務中に使用していた社員証、健康保険証、制服、パソコン、携帯電話などの返却が必要になる場合もあります。
すでに退職されていた場合でも、企業年金やOB会、退職金の分割受給、会社の保険制度などに関わる書類があることもあります。心当たりがある場合は、退職先の会社や関係窓口へ確認してみるとよいでしょう。
また、個人事業主や自営業の方の場合には、仕事関係の契約や請求・支払い関係、取引先への連絡も必要になる場合があります。今後の事業をどうするかも含めて整理が必要になることがありますので、関係者と相談しながら慎重に進めることが大切です。
葬儀後に意外と忘れやすいのが、銀行口座や各種契約の整理です。亡くなられた方の銀行口座は、金融機関が死亡を把握すると凍結されることがあります。口座が凍結されると、預金の引き出しや自動引き落としができなくなるため、公共料金やカード利用料などの支払いに影響が出ることがあります。
そのため、まずは通帳やキャッシュカード、クレジットカード、各種請求書などを確認し、どのような支払いが口座から落ちているのかを整理することが大切です。電気、ガス、水道、電話、携帯電話、インターネット、家賃、サブスクリプション契約など、毎月の支払いが継続しているものは少なくありません。
必要に応じて、契約の名義変更や解約を進めます。特に一人暮らしだった場合は、使わなくなったサービスの解約を早めに行うことで、無駄な支払いを防ぎやすくなります。クレジットカードもそのままにしておくと年会費や利用料が発生することがありますので、各カード会社へ連絡して解約手続きを行います。
現在では、亡くなられた方のスマートフォンや携帯電話の契約も早めに確認しておきたい項目の一つです。毎月の利用料が発生するだけでなく、各種サービスの認証や連絡先の確認などで必要になることもあります。そのため、すぐに解約するのではなく、必要な情報を確認してから手続きを進めると安心です。
たとえば、スマートフォンの中に連絡先、写真、予定表、金融アプリ、保険情報など、大切な情報が残っていることがあります。ロック解除ができるかどうかによっても対応が変わりますので、慌てて処分せず、まずは必要な情報を整理してから各通信会社に相談するとよいでしょう。
インターネット回線や固定電話、動画配信サービス、音楽配信、通販サイトの定期購入なども継続課金になっている場合があります。通帳やクレジットカード明細を確認し、不要な契約が続かないよう整理していくことが大切です。
亡くなられた方が持ち家に住んでいたのか、賃貸住宅だったのか、施設に入所されていたのかによっても、葬儀後に必要な対応は変わります。
賃貸住宅に住んでいた場合は、賃貸借契約の確認と退去手続きが必要になります。大家さんや管理会社に連絡し、今後の流れや家財整理の日程、退去時の精算について相談します。一人暮らしだった場合は、遺品整理や室内の片づけも必要になるため、時間に余裕を持って進めることが大切です。
介護施設や高齢者住宅に入っていた場合は、退去や荷物の引き取り、利用料の精算が必要になります。施設によって対応が異なりますので、担当者と相談しながら進めます。
持ち家や不動産がある場合には、すぐに名義変更をするわけではありませんが、今後の相続手続きに備えて登記関係の書類や固定資産税の通知などを整理しておくと役立ちます。
葬儀後すぐに相続手続きをすべて始める必要はありませんが、早めに全体像を把握しておくことはとても大切です。相続には期限のあるものもあり、気づかないうちに時間が過ぎてしまうことがあります。
まず確認したいのは、遺言書の有無です。自筆の遺言書、公正証書遺言、金融機関や信託に関する書類などが残されていないかを確認します。勝手に開封してはいけないケースもあるため、見つかった場合は内容に応じて家庭裁判所や専門家へ相談することも必要です。
次に、相続人が誰になるのかを確認するために、戸籍の収集が必要になることがあります。また、預貯金、不動産、有価証券、保険、借入金など、財産と負債の全体像を把握することも大切です。相続放棄や限定承認を考える場合には、原則として3か月以内という期限もありますので、借金の有無などは早めに確認したいポイントです。
相続税の申告が必要な場合には、10か月以内が目安になります。すべての方に必要なわけではありませんが、不動産や預金が多い場合などは税理士などの専門家への相談も視野に入れておくと安心です。
葬儀後には、事務的な手続きだけでなく、法要や納骨の準備も進めていくことになります。仏式の場合、まずは四十九日法要が大きな節目になります。四十九日に合わせて納骨を行うご家庭も多くありますので、お寺や霊園、親族との日程調整が必要になります。
位牌や仏壇の準備、お墓の確認、納骨先の相談なども、少し落ち着いてきた時期に進めることが多いです。もしお墓がない場合や、今後の供養方法について迷われている場合は、永代供養墓や納骨堂、樹木葬など、さまざまな選択肢を検討することもあります。
法要については宗派や地域によって考え方が異なりますので、菩提寺がある場合はお寺に相談しながら進めると安心です。最近では、ご家族の事情に合わせて無理のない範囲で法要を行うご家庭も増えています。
葬儀後の手続きは数が多く、内容も幅広いため、頭の中だけで整理しようとすると混乱しやすくなります。そこでおすすめなのが、やるべきことを一覧にして、終わったものからチェックしていく方法です。
たとえば、
・役所関係
・年金関係
・保険関係
・勤務先関係
・金融機関関係
・住まい/契約関係
・相続関係
・法要/供養関係
というように分類して整理すると、進めやすくなります。一人で抱え込まず、ご家族で分担できるものは分担し、難しいものは役所や専門家、葬儀社に相談しながら進めることが大切です。
大切な方を亡くされた直後に、すべてを完璧にこなす必要はありません。まずは期限のあるもの、生活に直結するものから一つずつ進めていけば大丈夫です。
葬儀後には、役所、年金、保険、銀行、相続、法要など、想像以上に多くの手続きがあります。慣れないことばかりで、何から手をつければよいか分からなくなるのも無理のないことです。
舞岡あゆみ葬祭では、葬儀のお手伝いだけでなく、葬儀後に必要となる手続きや今後の流れについても、できる限り分かりやすくご案内しております。ご不安なことや、どこへ相談すればよいか分からないことがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。ご家族のお気持ちに寄り添いながら、今後の一歩を安心して進めていただけるよう丁寧にお手伝いいたします。