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【24】相続手続きの基本と流れ
GUIDE

ご家族が亡くなられた後、葬儀や火葬を終えて少し落ち着いた頃に、多くの方が直面するのが相続手続きです。私たち舞岡あゆみ葬祭にも、「相続は何から始めればいいのか」「遺言がある場合とない場合で何が違うのか」「いつまでに何をしなければならないのか」といったご相談を多くいただきます。相続という言葉はよく耳にしていても、実際に手続きを進める場面になると、戸籍の収集、財産の確認、銀行や不動産の名義変更、相続税のことなど、考えることが多く、不安になるのは自然なことです。

相続手続きで大切なのは、すべてを一度に片づけようとするのではなく、全体の流れを知り、期限のあるものから順番に進めることです。たとえば、相続放棄は原則として「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」、相続税の申告・納付は原則として「相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内」です。さらに、不動産を相続した場合は、令和6年4月1日から相続登記の申請が義務化されており、一定の期限内に登記申請が必要になっています。

ここでは、相続手続きの基本的な考え方と全体の流れを、初めての方にも分かりやすく整理してご説明いたします。難しく感じやすい相続の手続きを、舞岡あゆみ葬祭スタッフの視点で、できるだけ読みやすくまとめました。

相続とは何か

相続とは、亡くなられた方、いわゆる被相続人の財産や権利義務を、法律または遺言に従って引き継ぐことをいいます。相続の対象になるのは、預貯金や不動産、株式などの「プラスの財産」だけではありません。借入金や未払い債務などの「マイナスの財産」も相続の対象になります。そのため、相続手続きでは「何を受け取るか」だけでなく、「何を引き継ぐことになるのか」を全体として把握することがとても大切です。

相続が始まるのは、原則として被相続人が亡くなったときです。その時点で、法律上の相続人が誰になるのかが問題となります。一般的には、配偶者は常に相続人となり、そのほかに子ども、直系尊属、兄弟姉妹などが民法上の順位に従って相続人になります。ただし、実際の手続きでは、戸籍をたどって相続人を確定する作業が必要になるため、「家族だから当然分かる」というだけでは進められないこともあります。

相続手続きの全体の流れ

相続手続きは、細かく見ると多くの作業がありますが、大きな流れとしては次のように整理できます。

まず、遺言書の有無を確認することが最初の大きなポイントです。遺言があるかどうかによって、その後の進め方が大きく変わります。遺言がない場合は、法律上の相続人全員で遺産分割の話し合いを進めることになります。

次に、相続人を確定するために戸籍を集めることが必要です。被相続人の出生から死亡までの戸籍を確認し、誰が相続人になるのかを正式に確認します。

そのうえで、相続財産を調べることが重要になります。預貯金、不動産、株式、保険、借入金、未払い金などをできるだけ漏れなく確認し、プラスの財産とマイナスの財産を一覧化していきます。

その後、相続するのか、相続放棄をするのか、または限定承認をするのかを検討し、必要に応じて家庭裁判所で手続きを行います。相続を進める場合には、遺言の内容または遺産分割協議に基づいて、預金解約や不動産登記、名義変更などを進めていく流れになります。

さらに、財産額によっては相続税の申告が必要になります。相続税の申告期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です。相続税がかからない場合でも、相続登記や預貯金の名義変更などは別に必要になります。

まず最初に確認したい遺言書の有無

相続手続きでは、遺言書があるかどうかの確認が非常に重要です。遺言がある場合は、原則としてその内容が優先されるため、遺産分割の進め方が大きく変わります。

ただし、遺言書にはいくつか種類があります。公正証書遺言であれば、公証役場で作成されており、比較的手続きが進めやすい傾向があります。一方、自筆証書遺言などが自宅から見つかった場合は、勝手に開封しない方がよいケースもあります。遺言の形式によっては、家庭裁判所での検認が必要になることがあるためです。

遺言が見つかった場合には、すぐに自己判断で進めるのではなく、内容や形式を確認しながら慎重に対応することが大切です。相続のスタート時点でここを間違えると、後のトラブルにつながることもあるため、迷う場合は専門家へ相談するのが安心です。

相続人の確定は戸籍収集が基本

相続手続きでは、「誰が相続人なのか」を正式に確定しなければなりません。そのために必要になるのが、戸籍の収集です。通常は、被相続人の出生から死亡までの戸籍をすべて確認し、あわせて相続人となる方の現在戸籍なども取得します。

たとえば、前婚のお子さまがいる場合や、養子縁組がある場合、兄弟姉妹が相続人になる場合などは、家族が把握していない関係が戸籍上で分かることもあります。そのため、「家族関係は分かっているから大丈夫」と思っていても、正式な手続きでは戸籍による確認が不可欠です。

この戸籍収集は、預金解約や不動産登記、相続税の申告など多くの手続きの基礎になるため、早めに着手すると後が進めやすくなります。

相続財産を調べることがとても大切

相続手続きでは、財産調査が非常に重要です。ここでいう財産には、預貯金、不動産、有価証券、生命保険金、車、貴金属などのプラスの財産だけでなく、借入金、ローン、未払税金、未払医療費などのマイナスの財産も含まれます。

預金であれば通帳やキャッシュカード、郵便物、スマートフォンの金融アプリ、ネットバンキングの利用履歴などを確認します。不動産については固定資産税の納税通知書や権利証、登記事項証明書などが手がかりになります。借入金は通帳の引き落とし履歴、カード会社からの請求書、信用情報などから分かることがあります。

相続放棄を考える可能性がある場合には、特にマイナスの財産の有無を早めに調べることが重要です。相続放棄は、原則として相続開始を知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があるため、負債の有無を把握しないまま時間が過ぎると判断が難しくなります。裁判所は、相続放棄の熟慮期間について原則3か月と案内しています。

相続放棄・限定承認・単純承認の違い

相続では、亡くなられた方の財産をそのまま引き継ぐだけではなく、状況に応じて相続放棄限定承認という選択肢があります。

相続放棄とは、プラスの財産もマイナスの財産も一切引き継がないという選択です。借金が多い場合や、財産関係が不透明な場合に検討されることがあります。家庭裁判所によると、相続放棄は、自己のために相続があったことを知った時から3か月以内に申述する必要があります。

限定承認とは、相続したプラスの財産の範囲内でのみ負債を引き継ぐ方法です。ただし、手続きは比較的複雑で、相続人全員で行う必要があるなど条件があります。そのため、実際には相続放棄か単純承認かを選ぶケースが多く見られます。

単純承認とは、特別な手続きをせず、プラスもマイナスも含めてそのまま相続することです。何もせず3か月が経過すると、原則として単純承認とみなされる場合があるため、借金の有無が不安なときは早めに判断材料を集めることが大切です。

遺産分割協議とは何か

遺言書がない場合、相続人全員で「誰が何を相続するか」を話し合うことになります。これを遺産分割協議といいます。この話し合いでまとまった内容を記したものが、遺産分割協議書です。

遺産分割協議では、預貯金を誰が引き継ぐか、不動産をどうするか、自宅に住み続ける方は誰か、売却するのか、共有にするのかなどを決めていきます。ここで大切なのは、相続人全員の合意が必要だという点です。一人でも同意していない相続人がいると、協議は成立しません。

協議がまとまらない場合には、家庭裁判所で遺産分割調停を行うこともあります。ただ、多くのご家庭では、できるだけ話し合いで解決したいと考えられることが多いため、財産の全体像を整理しながら冷静に進めることが大切です。

預貯金や名義変更の手続き

遺言や遺産分割協議の内容がまとまったら、次は具体的な名義変更や解約手続きに進みます。預貯金については、金融機関ごとに必要書類が異なりますが、一般的には戸籍一式、遺産分割協議書、相続人全員の印鑑証明書、本人確認書類などが求められることが多いです。

証券会社の株式、投資信託、自動車の名義変更なども同様で、それぞれの窓口で手続きが必要です。相続人が複数いる場合には、誰が代表して進めるのかを決めておくと進めやすくなります。

また、生命保険金については受取人固有の権利になることが多く、相続財産とは別に扱われるケースがあります。ただし、税務上の扱いは別途確認が必要なため、生命保険も含めて全体の整理をしておくと安心です。

不動産を相続したら相続登記が必要

不動産を相続した場合に特に重要なのが、相続登記です。法務省によると、令和6年4月1日から相続登記の申請が義務化されました。相続や遺贈によって不動産の所有権を取得した相続人は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、その不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。施行日前に発生した相続についても、一定の期限内で義務の対象になります。正当な理由なく義務に違反した場合、10万円以下の過料の対象となり得ます。

また、遺産分割がまだまとまっていない場合でも、法務省は「相続人申告登記」という制度を用意しており、一定の方法で義務を履行しやすくしています。いずれにしても、不動産がある場合は「後でいい」と先延ばしにせず、早めに確認することがとても大切です。

相続税の申告が必要かどうか

相続では、すべての方に相続税の申告が必要になるわけではありません。ただし、一定額を超える財産がある場合には申告が必要です。国税庁によると、相続税の申告期限は、相続の開始があったことを知った日(通常は死亡の日)の翌日から10か月目の日です。遺産分割が終わっていなくても、期限までに申告が必要であり、分割されていないことを理由に申告期限は延びません。

相続税の有無は、財産の総額、不動産評価、生命保険金、債務などを総合して判断します。自宅や土地がある場合には、思っていたより評価額が大きくなることもありますので、「うちは大丈夫だろう」と自己判断せず、必要に応じて税理士へ相談すると安心です。

相続手続きで準備しておきたいもの

相続手続きを進めるうえで、早めに一か所へまとめておくとよいものがあります。たとえば、死亡診断書のコピー、戸籍関係書類、住民票、印鑑証明書、通帳、キャッシュカード、不動産の権利証や固定資産税通知書、保険証券、借入関係の書類などです。

また、スマートフォンの中に金融アプリや証券口座の情報、連絡先、パスワードの手がかりが入っていることもあります。故人の遺品を整理するときは、思い出の品だけでなく、相続手続きに必要な書類や情報が隠れていないかを意識しながら確認すると役立ちます。

相続は早めに全体像をつかむことが大切

相続手続きは、一つひとつは難しそうに見えても、流れを整理すると見通しが立ちやすくなります。特に大切なのは、遺言書の確認、相続人の確定、財産調査、期限のある手続きの確認です。ここを押さえることで、その後の話し合いや名義変更も進めやすくなります。

逆に、何から手をつけるべきか分からないまま時間が過ぎてしまうと、相続放棄の期限や相続税の申告期限、相続登記の義務などが重なり、余計に大変になってしまうことがあります。だからこそ、完璧にやろうとするのではなく、まずは全体の流れを知り、期限順に進めていくことが大切です。

舞岡あゆみ葬祭では葬儀後のご相談も承っております

相続手続きは、戸籍、財産、銀行、不動産、税金など幅広い内容が関わるため、初めての方にとってはとても分かりにくいものです。特に、期限のある手続きがあることを知らずに時間が過ぎてしまうと、ご家族の負担が大きくなってしまいます。

舞岡あゆみ葬祭では、葬儀のお手伝いだけでなく、葬儀後に必要となる主な手続きや全体の流れについても、できる限り分かりやすくご案内しております。相続について「何から始めればよいか分からない」「誰に相談すればよいか迷っている」という方は、どうぞお気軽にご相談ください。ご家族のお気持ちに寄り添いながら、次の一歩を安心して進めていただけるよう丁寧にお手伝いいたします。

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